ここ2日間、源泉舘さんネタで楽しくブログを書いていて、ふと忘れていた「あの日」のことを思い出しました。

 

もう5年くら前になるかな?学生に社会や仕事のことを知ってもらおうという企画があり、いろんな企業の方などが集まる場で、「販促とは?」みたいなお話をさせていただいたことがありました。

その時に、源泉舘さんで手書きPOPを設置したら、売上げもアップしたし、何よりお馴染みさんが楽しんでお買い物してくれるようになったよ!という事例を中心にお話しました。

 

学生さんや社長さんに喜んでいただけたんですが、質疑応答の最後に、ふたまわりくらい年上のコンサルタントの女性が、ちょっと、いや、かなり威圧的にこんなことを言ったのです。

 

「源泉舘さんは1300年も続く歴史ある温泉旅館なんですよね?それなのに手書きPOPなんてつけたら雰囲気が壊れますよね?それはいかがかなものかと思うんですけど、どうなのでしょうか!?」

 

質問の仕方っていろいろあると思うんだけど、自分の方が知識豊富で優れていることを見せつけるために、私に恥をかかせてやろうという想いが、なんとなく伝わってきました。

 

「え・・・楽しいってお馴染みさんが喜んでくれているし、社長も女将さんもとても喜んでいるので、いいと思うんですけど・・・」

独立したばかり、20代の貧弱な私は、攻撃的なおばさ・・・女性の口調と勢いに圧倒されて、汗をかきながら弱弱しく答えるのが精一杯。会場も先ほどの盛り上がりが嘘のように、シーーーン・・・。笑

 

講義が終わったあとに、真意を理解してくれた社長さんたちがフォローしてくれたのに救われたんですが、切なさと腹立たしさで、後味が悪い一日になりました。

でも、たくさんの現場に携わってきて、何よりあれから毎月ずーっと源泉舘さんを見続けている今の私なら、あのイジワルおばさ・・・女性の質問に自信を持って笑顔で答えられます!

 

源泉舘のご夫婦は、1300年以上守られている温泉を誰よりも大切にしています。でも、女将さんが着物を着て三つ指ついて、しっとりとお出迎えする旅館ではありません。

 

お馴染みさんが「ただいまーー!」とやって来て、「あ〜!◯◯さん、おかえりなさーい!」って社長と女将さんが元気に出迎え、その場で世間話と爆笑、時には女将さんの毒舌が巻き起こる旅館です。笑

 

老舗旅館という言葉だけのイメージに囚われ、「相応しい行ないを」というのは頭で考えて言うこと。生の現場を見れば、手書きPOPがダメ、雰囲気が壊れる、なんてことは絶対に思わないはず。

 

社長の似顔絵が似ててウケる!

女将さんのキャラ、特徴捉えていてそっくり!

POPの変化が楽しみで毎回見ちゃう!

POPを書いているところ見ていてもいい?

やっぱりPOPがあるとわかりやすくていいね!

絶妙なことが書いてあるからつい買っちゃう!

お客さんも楽しんでいってくれています!そして、お馴染みさんのPOPや販促の知識がグングン高まっています!笑

 

もしかしたら、頭で考えてガチガチな固定観念に囚われて、「ウチの品格が損なわれる」「楽しい販促なんて悪だ!」と思い込んでいる方がいるかもしれません。

 

いやいや、もっと柔軟にいきましょう!

 

手書きPOPなんて、書いて貼るだけなんだから、ダメだったらササッと外せばいいだけ♪ それに、使う紙を色画用紙ではなくて上質な和紙にするだけでもイメージが全然変わるんです。

そういうことを考えることなく、全部ひっくるめて「手書きPOPなんてダメ!」って、禁止したら・・・そんなのって、残念すぎますよね。

 

それに、お客さんは「頭」より「心」でお買い物をするんだから、売る側の私たちだって、やっぱり「」で考えなくちゃ。知識に縛られるんじゃなくて、目の前のお客さんのお役に立つ方法、笑顔になる方法を考えなくちゃ。

 

そんなことを改めて考える機会を5年後にもらえたわけで、あの日のイジワルな質問は、実はいい質問だったのかも!ありがたいですね♪