読みたかった本を読みました。商業界から発売されたばかりの新著「こうして店は潰れた」タイトルだけでもかなり衝撃的ですよね。
読み始めたら、ページをめくる手が止まらずに一気読み。しおりは不要でした。
だって、最初からこんなショッキングな見出しですから。
「やまと」とは、私が販促の基本を学ばせてもらった「スーパーやまと」さんです。「残念ながら…」なんて簡単な一言ではとても言い表せませんが、昨年末に倒産してしまいました。
この一冊には、スーパーやまとの小林社長(ひと呼んで「やまとマン」)の今日までの取り組み、いや、生き様が書かれています。
今をときめく成功者によるキラキラした本は書店に溢れていますが、こんなにも生々しい「沈没」までの記録は初めて読みました。
小林社長もスタッフさんもよく知っているだけに、読んでいて苦しい部分もあったし、だけど、社長の語り口で脳内再現ができて、思わず笑ってしまう部分もいっぱいありました。そして、涙なしには読めないページも。。
今から7年前、東日本大震災のあの瞬間に、私はスーパーやまとの社長室で小林社長とお話をしていました。韮崎もこれまで体験したことのない大きな揺れでした。
揺れが収まると真っ先に社長はドアを開けて、事務所で働くスタッフさんたちに「みんな大丈夫だった?よく騒がず冷静に対応したね!偉い、偉い!」とスタッフたちを褒めて、怪我など注意するように気遣っていました。
「何かあったとき」に人の真の姿が見えます。パニックを煽らないように、いつも通り明るく振る舞う社長を見て、従業員のお父さんみたいな人だな〜なんて思っていたんです。そんなお父さんっぷりエピソードが紹介されているページもありました。
倒産後8ヶ月で出版されたこの本は、かっこいい姿だけを切り取って書かれた成功本とは違います。
私たちが期待する正義のヒーロー「やまとマン」の活躍だけでなく、「小林久さん」の人間らしい姿に勇気をもらいました。
何があっても、「大丈夫!心配ない!なんとかなる!」。
大事なものを失った後の言葉だからこそ、リアルに心に響きます。私も一人の経営者として、この本に大事なことを教えてもらいました。商売をしている人には全力でおすすめしたい一冊です。読了後は前向きに、強く優しい気持ちになれますよ☆