お客さんの質問の中にはヒントがたくさんあります。

 

例えば、飲食店で高価格なウィスキーを注文したお客さまから「チョコレートはありますか?」と質問されましたが、あいにくチョコレートはメニューにないので、お客さまに取り扱いがない旨を伝えました。

 

それから何事もなく、普段通りの仕事をして、今夜もお店は無事に閉店を迎えました。

 

さぁ、あなたなら

お客さまからの質問を

どんな販促につなげますか?

 

 

もし私なら、特別な一杯を愉しむために、一緒に食べたらさらに美味しく飲むことができる一品を紹介したメニューをつくります。

スペシャルなお酒を注文されたお客さまには、「こちらのお酒と相性ピッタリですので、よろしければ合わせてお愉しみください」などと一声掛けることも重要です。

 

高めのお酒を注文したお客さまは「味わって飲むぞ〜!」という意気込みが強いので、プラスαのお金を支払ってでも、より美味しくより特別な一杯を愉みたいと考えるでしょう。

 

どれだけ相性がいいのか味わうワクワク感も増え、使うお金は増えつつ満足度もアップする販促になると思いませんか♪

 

質問をいただいたら、答えるだけでなく「これはチャンス!」と捉え、次の一手を考えることで、喜ばれるお店づくりにつながります。お客さまからの質問は大切にしましょう!


山梨県下部温泉郷の古湯坊 源泉舘さんでは、毎月お馴染みさんへお便りを発送しているのですが、そこに同封するために「あるご案内」を作成しました。

 

タイトルはズバリ「切なるお願い」です。

今年の冬は厚着をして暖房を控えめにしたり、こまめに電気OFFしていたのですが、それでも自宅では電気料金が爆上がり。

 

二人暮らしの自宅でもこれだけ値上げを実感させられているのだから、24時間フル稼働の宿泊施設はもう悲鳴ですよね……。

私はこれまでホテルに宿泊する際、アメニティを持参したり、交換用タオルだけドアノブに掛けてもらい「清掃不要」にすることが多かったのですが、それに加えて今は電気も最小限にするように心がけています。

 

「自分のお財布からお金が出るわけじゃないから」「宿泊料払っているから」ではなく、相手への「おもいやり」が大切。

 

今では大抵の人は満ち足りた暮らしをしています。お風呂に入るために薪をくべるような不便な時代に比べたら、「至れり尽くせり」はすでに手に入れ、日常で十分満喫しているんです。

だから、今度はその先に進んで、「想像力を育てて、おもいやりの心を持つ」の段階に移行していきたいですね。そちらの方がずっと豊かです。

 

今、あらゆるものが値上げして、苦しんでいるのは誰もがわかっていること。だから、源泉舘さんのように、恐れずに協力して欲しいと伝えるべきだと思います。

 

そのためにも、こうした正直な気持ちを打ち明けられる関係性を日頃から育んでいくのもとても重要ですね!

 

一方で、お客さま側もよく見ています。時々お店の発信を見て「これってSDGsに便乗してただ手抜きしているだけでは!?」と感じることはありませんか。その原因は、他の部分でも手薄になって不満を招いていたり、配慮不足が目についたりして、見抜かれてしまうからだと感じます。

 

気をつけなければならないのは、お客さまに求めるのと同じように、お店側もまた「お客さまと誠意を持ったお付き合いをする」ということです。当たり前のことですけどね。

エコと配慮不足は別問題。お客さまに満足して喜んでもらうために努力を惜しまないことは大前提に、伝えるべきことはしっかり伝えていきましょう〜!

 


山梨県甲府市の「堤」は、もう何年も通わせていただいているお寿司屋さんです。

「通わせてもらってありがとう」と心から言えるお店

 

寿司一筋56年のご主人と奥さまのお人柄、仕事に対する想い、美味しいお寿司に、2018年12月23日に初めて訪れて以来、大ファンになりました。

連続出張から帰ってきたら、大きな仕事をやり遂げたら、真っ先に駆け込むのは、いつも堤さんでした。

 

全国各地の方々に「海なし県、山梨の寿司は最高に美味しいんですよ!」とご案内するのもやっぱり堤さんでした。

 

ここ半年ほど、ご主人の体調が思わしくなくお店をお休みしていたのですが、そろそろ良くなられた頃かなと思い電話をしてみると・・・

 

「実はねえ、お店をやめることにしたんだよ」とご主人。やはり身体に負担がかかるらしく、今後はゆっくりと過ごされるとのこと。

代わりのきかない、唯一無二のお寿司屋さんだったので、「やめる」の一言にショックを受けましたが、ご主人の次の言葉に胸を打たれました。

 

「本当にいいお客さんに囲まれて。いい寿司屋人生でした!」

 

この言葉を聞いた瞬間、悲しい気持ちよりも、走り抜いたご主人に祝福と喜びの感情も込み上げて、なんとも言えない、感動を覚えました。

 

長い寿司職人人生の中の、ほんの僅かな年月ながらもお店に通わせてもらい、ご主人の姿勢からたくさんの大切なことを教えていただきました。

 

ご主人との会話、楽しかったなぁ。小肌がこんなに美味しいなんて初めて知ったし、旬や産地もたくさん覚えました。

 

堤さんで出逢う常連さんたちは、みんな親切でいい人だったなぁ。

私のすごはん人生はまだ11年半。ご主人の56年には遠く及びません。

 

この先も、ずっとブレることなく、たのしごとを伝え続け、引退するその日に「いいすごはん人生だった」と言えるよう、私も頑張ろう!!そんなことを考えて胸が熱くなりました。

 

堤さん、ありがとうございました。出逢えて本当によかったです!!

 

これからはご夫婦でゆっくりのんびり、お身体を大切に、楽しい日々をお過ごしくださいね。